捨てられたギターをリペア日記(ナット&サドル編)
昨年、2018年の年末の燃えないゴミに捨てられたギターのリペア日記を記録とし残します。今回はブリッジのサドルとナットの修復です。
まずはサドルから始めました。
状態としては、木工ボンドでブリッジ部とサドルが接着されていました。
これは結構厄介なことで、基本はブリッジとサドルは接着しません。一度、接着してしまうとブリッジからサドルを取ることが困難になります。
木工ボンドは熱と水気に弱い性質があります。なので、熱湯につけた布の水を絞り数分ブリッジとナット部分に押し当て、ドライヤーで熱し水分を飛ばします。すると乾いたボンドはネバネバとしたペースト状に戻ります。完全には液体化には戻りません。なので、柔らかくなったボンドを取り除いていき、最初の工程を繰り返します。
そして、ブリッジとナットが完全に取れました。↓ ↓ ↓
残った白い部分はボンドの残りです、これも細かいヤスリなどで慎重に取り除いていきます。
なぜ完全にボンドを取り除くのかと言いますと、ブリッジとサドル部の間にボンドの残りで隙間ができてしまうからです。ブリッジとサドルに隙間ができてしまうと、弦の振動を受けたサドルが上手くブリッジorボディーへと振動を伝えられなくなってしまうからです。なのでブリッジとサドルが接する部分は綺麗にする必要があります。
そして、残ったボンドも綺麗に取り除きました◎
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ピン穴も丸ヤスリでほんの軽くヤスっておきました。ブリッジ浮きなどは無かったのでブリッジ周りはこんな感じです。
さて、次はヘッド付近のナット部のリペアに取り掛かります。
この部分も前の使っていたオーナーがご自身でナット交換をされたのか、ナットが反対に付けられています。サドルも反対に付けられていたので、きっと左利きのプレイヤーだったんだと感じます。
この部分もドライヤーなどで軽く熱し接着を弱めて平らな板をナット部に当て、ハンマーなどで軽く小突いてナットを取ります。
ナットが外れました◎
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これもブリッジ部と同じようにまだ残っている木工ボンドを綺麗にヤスリなどを使って綺麗にしています。
綺麗になりました◎ここまでいくと凄く気持ちが良いですね!
ナットはタイトボンドで接着し直して完了です。
タイトボンド原液に、ほんの少しだけ水を足し混ぜてナットとネック部を接着します。十分に時間(丸一日)をかけ乾燥させてリペア完了です。
次回はクラック(割れ)が入ったボディートップとバックの接着作業とリペア完成までをup予定です◎
本日も最後まで記事を読んで頂き誠にありがとうございます。